前回のランチから約1か月。
いよいよ自分にとってのラスト マティエールです。
(予約変更があった日になんとか席を確保してもらいました)
妻と息子には申し訳ないですが、ラストマティエールに行って来ました。
妻も快く送り出してくれて本当に感謝です
la MATIERE
最後と言う事で外観を!振り返ると外観写真って最初のディナー以来だな~
小田原から徒歩15分ぐらい。小高い城山の静かな場所にラマティエールさんはあります。
小田原で さらに駅から近い訳でもないこのお店が2か月満席とは。
本当にすごいです
今回も写真はX10です。
今回もカウンター 本当にこれがラストかと思うと、期待とともになにか考え深いものがあります。
食前のハーブティー
前菜① キントア豚のチョリソーとカブのソテー
これに合わせるのはヴェネチアのシャルドネ。カルバドスで磨かれたカブがキントア豚のチョリソーのうまさを引き出します。キントア豚のチョリソーはここ数回食べているのですが、カブが力強くまったく違った印象。
すごいなーと思っていると、これは今回の食事のほんの序章でした
ここで春小麦さんのバゲット登場。
春小麦さんのバケットいいですよね!自分はよく全粒粉の食パンをいただきます。
すごく美味しいですよ!
前菜② 牡蠣のオードブル 春菊と牡蠣のソース これに合わせるのはLA CASA DELL’ORCO イタリア南部のワインでミネラル感がすごい。
ポシェされた牡蠣はクリミーでかつ旨みがすごい。それがDELLORCOと喧嘩せず、むしろお互いの旨みを引き出し合う。春菊のソースも牡蠣と良く合うのは、牡蠣のエキスとコンソメのジュレが牡蠣と春菊を結び付けているから。西村シェフの料理には味のコントラストだけでなく、それを結びつける接着剤のような食材がかならず入る。それが料理を一つにまとめてお互いの相乗効果を生み出す。ほんとすごいです。
牡蠣のオードブル 美しい
前菜③ ラングスティーンとスターレットキャビア
今回のスペシャリテの一つ大きなラングスティーンです。そこにスターレットキャビアが乗っています。ラングスティーンとスターレットキャビアを結び付けるのはポルチーニのオイルとほんのり香るカボス。これに合わせるのはランゲ シャルドネ。このワインは香りが独特ながら、こういう甘味の強い食材の個性を引き立てるワインだと思います。
これらを一緒に食べると、旨みと甘みの強いラングスティーンがスターレットのキャビアの柔らかな塩気で絶妙な塩加減になり、それらに柔らかいポルチーニオイル、カボスの香りとランゲの香りが重なりあう。すべてを口に入れた時の味の足し算を計算されたとってもすごい一皿でした
ラングスティーンとスターレットキャビア
前菜④ サンマのテリーヌ 美しいサンマのテリーヌにサンマの肝を中心にまとめたほろ苦いリエット、上には自家製のカラスミがかかっています。これに合わせるのはSAMMAURO、サンマの風味を引き立ててくれる赤でした。
まずはこのテリーヌ 美しい。味はサンマのうまみがすごく、サンマを食べているんだけどしっかりとフレンチになっている。また添えられたリエットがほろ苦く一緒に食べることでさらに旨みが増していく。ほんとにすばらしいテリーヌです
前菜⑤ 紫芋のスープ 秦野産卵黄とアルバのトリュフ スープは冬らしく濃厚な紫芋のスープです。これに秦野のすごい卵黄とたっぷりとアルバのトリュフがかかっています。濃厚なスープに合わせるのはピリン ガヴィ、ピエモンテのワインです。
これが濃厚なスープに良く合います。濃厚な紫芋、卵黄、トリュフをピリンガヴィのミネラル感と独特のくせがハイレベルにまとめます。もちろんスープ単体でも美味しいのですが、白といただくことによりさらに濃厚だけでない、複雑な印象の料理となりました!すごいです!
卵黄を崩してみました。
魚料理①
甘ダイのうろこ焼き ポルチーニと黄色平茸、白平茸 甲殻類のソースで 圧倒的な前菜を終えて、いよいよ魚料理です。今回は甘ダイのうろこ焼き、これにポルチーニと甲殻類のソースです。まず甘ダイ。火の入れ方完璧です!うろこは香ばしく、身は甘くほろほろ、しかしレア感もある。この香ばしいうろこが甲殻類のソースとの接点となり、それがポルチーニともくっつける。これはうろこ焼きの香ばしさが接着剤となる今までと違うアプローチです。まあ、いろいろ書きますが、うまいの一言です。
しかし、美しい魚料理ですよね
甘ダイの下にあるのは巨大ポルチーニです
魚料理②
オマール海老 赤ウニ マンゴービグネットソース なぜ先ほどの魚料理が①となっていたか??それは②があるからでしたオマール海老がどーんとすごい存在感の料理です。これにすごく風味のある焼いた赤ウニが乗っています。甘く風味あるオマール海老、赤ウニとちょっと酸味のあるヴィグネットソースをくっつけるのはアーモンドオイル。このオイルがいい仕事をする事により違和感なく料理が一体になる。これも計算ですよね
甲殻類はシェフのスペシャリテ!初めて、マティエールさんのディナーでオマール海老を食べた感動を思い出しました。ほんとうにこれもすばらしい料理です
美しいオマール海老とウニ
本当に美味しかった
グラニテ 洋ナシのソルベ お肉に行く前にはグラニテです。洋ナシ すばらしい!本当に隙がない。。。
肉料理
ロッシーニ(彩さい牛とキャスタンのフォアグラ こぼれるほどのアルバのトリュフ)
最後を飾る肉料理はロッシーニ!どうですかこのボリューム まず見た目から圧倒されました!自分はジビエも好きですが、それ以上にやっぱり牛が好き!ほんとにラストを飾るにふさわしい、自分の理想ど真ん中の肉料理です
もちろんどれもすごい食材。単体で食べてもうまい!里いもとほうれん草、彩さい牛、キャスタンフォアグラ、アルバのトリュフすべてを口に入れると。。。。ボキャブラリーのない自分にはすごいとしかいい様がない美味しさでした
キャスタンのフォアグラとアルバのトリュフ。 ほんとキャスタンのフォアグラっていいですよね
こんな凄みのある肉料理、他に見たことありません
hofstatter joseph lagrein をあわせます
フロマージュ すごい肉料理の後はフロマージュです。左から24ヶ月ミモレット、トム・オー・マール・レザン、カマンベールです。
中でもトム・オー・マール・レザンが風味深く良かった!数年前まで、赤とフロマージュを楽しむなんてなかったのに、こんな楽しみ方を教えてくれたのはマティエールさんでした。
デセール ガストロバックの果物とキャラメルソルベ
最後はガストロバックの果物とキャラメルのソルベです。ガストロバックがいい仕事しています。これをキャラメルの風味がやさしくつつみこむ。最後までほんとすごいです
(感想)
本当にすばらしいディナーでした。今までディナーをいただいて、こんなに余韻に浸ることはなかったです。これはじゃがりこという人間を知ってくれている西村シェフだからこそ出来る事、おそらくこれから何処に行ってもこんな余韻に浸れる食事に出会える事はないんじゃないかな~と思えるほどすごいディナーでした。
これを超えるのはやっぱり京都 祇園MAVOかな。
食材、作り手の想い、ゲストのあり方、マティエールさんのおかげで自分の「食」がすごく深いものになったと思います。その他、チャレンジし続ける事、進化して行く事の大切さ西村シェフから大変いい刺激を受けました!とにかく、小田原でラ マティエールさんに出会えた事に、本当に感謝しています。
子供が小さく、妻は子供ためいっしょに行けないけど、いつも一人でフレンチへ行かせてくれる妻へ感謝し、いつになるか分かりせんが、人生最高のディナーを京都 祇園 MAVOで妻、息子と一緒に完成したいと思います。
ラ マティエールさんのラストディナーで2013年のブログは終了です。
1年間ありがとうございました。
2014年がみなさんにとって良い年でありますように