2013年12月31日京都祇園へ移転のためお店を閉じたla MATIEREさん。
祇園が施工中なので、その間である2月1ヶ月間限定で「なごり マティエール」として営業を再開。
facebookとMAVOサポータへの手紙のみで、告知後3日ですでに営業日はほぼ満席。
小田原でラ マティエールさんが愛されている事がよくわかります 久しぶりののマティエール本当に楽しみです
○la MATIERE
いつまでもここにある様な。。。そのな感覚になります。
温かい暖色の明かりのように、温かい雰囲気がこのお店にはあります。
いつもの様にカウンターへ
約1か月ぶりにお店を開けたそうですが、その雰囲気はいつもと同じです
来月からもずっとあるような、そんな錯覚におちいってしまいます。
食前のハーブティーは胃をすっきりとさせます。
こういう何気ない心使いが、西村シェフ、マダムの素晴らしいところです
フォークとナイフはラギオール。
このずっしりとした貫禄ある重み、ナイフの切れ味、食事をいっそう盛り上げてくれます。
○前菜① バスクのチョリソーにパルメザン、プティベールのソテー
チョリソーに合わせるのはオペレというスパークリング。このプティベールのソテーは春を感じさせる味。これがバスクのチョリソーとよく合います。深みのあるスパークリングとの愛称も最高です
チョリソー①
このソテーが春を感じさせてくれます
OPERE 結構深見があります。
○前菜② 鯖とオニオンフォンデュ
見た目がすごく美しい鯖の前菜。脂の乗った鯖がじっくりとフォンデュされたオニオン、クルトンと合います(一番下がクルトン)。アクセントにカレー風味のスパイスが横に散りばめられこれがいい仕事をします。
これに合わせるのはVENICA。ソービニオンブランの香りのいい白です。
鯖の脂の甘み、オニオンの甘み、クルトンの甘みが重なりあり、深い旨みへと変わります。美しく、うまく、本当に美味しい鯖料理で、VENICAの香りの愛称もすごくよいです
すごくいい鯖です。この旨みの重ね合わせ。すごいです
カレー風味のスパイスと食べると、強いアクセントとなり旨みをさらに引き立てます
香りがいい。このワインの香り、品質を保っているヴィナリウスさんもすごいですよね!
○春小麦さんのライ麦パン
比較的軽いライ麦パンです。春小麦さんのパンいつ食べても美味しいです。
○前菜③ 安納芋のスープに利尻の紫ウニ、コンソメのジュレ
濃厚な安納芋のスープに、質のいい紫ウニがどっさりと添えられたスープです。スープですがスープの概念を超える様な濃厚で旨みが深くすごいものです。これに合わせるのはコクのある白。安納芋の甘み、ウニの甘み、これにコすっきりとしてコクのある白との組み合わせは本当にいい!
しかし、いつも思うのですが、マティエールででるウニ本当に質のいいものばかりです。このウニをどっさりと惜しげもなく乗せてくれます。本当にすごいですよね
このウニだけで、うに丼ができそうです
○前菜④ ホタテとポルチーニ キャビアを乗せて
大きなホタテにポルチーニ茸。さらにポルチーニの香りのすごくするソースが本当に美味しい。これに合わせるのはLA CASA DELL’ORCO イタリア南部のワインでミネラル感がすごいワインです。ポルチーニとホタテにキャビアが絶妙な塩気を与えてくれます。ホタテの甘みとポルチーニ香り、キャビアの塩気が重なり合い、すごい旨みとなります。
○フォアグラのテリーヌ ぺリゴールの黒トリュフ
キャスタンのフォアグラにペリゴール産の黒トリュフ。まずキャスタンのフォアグラ相変わらずすごいです。臭みもなく旨みと甘みがしっかりとしていてい、そこに、すごく香りの良いペリゴールのトリュフがたっぷりとかかっています。フォアグラの甘みとうまみとトリュフの香り、さらにフォアグラにはほのかに柑橘のいい香りのオイルが。。。これが口の中で一緒になると濃厚で強い旨みとなり、そこにワインからの柑橘系の香りの強いルガーナが感性を刺激ます!
今回のベリゴールのトリュフ。本当に香りがよかった
○魚料理 青ハタのポアレ 毛蟹とアサリ 毛蟹と四川山椒のピリ辛ソース 今回の魚料理は青ハタです。ソースは毛蟹とアサリの香りがし、四川山椒でピリッと刺激があるソースです。ふっくらとした青ハタに毛蟹とアサリの香りがよく合います!これに合わせるのはシャルドネのワイン。あっさりとしたソースにすっきりとしたワイン。今日までは濃厚な味にすっきりとしたワインの組み合わせが多かったので、これはまた別のアプローチで非常にいいですねとにかく、とっても美味しい魚料理でした。
アオハタ 中はふっくらととてもいい火加減です!
毛蟹 やっぱり毛蟹は味が濃いですね!
アサリ この出汁がアオハタとよく合います!
○洋ナシのソルベ
○肉料理 サロマ牛とベリゴールの黒トリュフ マデラワインソース
最後の肉料理は、サロマ牛に濃厚なマデラソース たっぷりと黒トリュフがかかっています。この濃厚なソースにはトスカーナ州の小さな村モンテプルチアーノのミディアムボディの赤です。西村シェフのソースは濃厚ながらトリュフの香りなどの繊細な香りもあり、フルボディーよりミディアムぐらいの赤ワインがよく合います。このサロマ牛味がしっかりしていますね!そこに根菜、トリュフがいい仕事をします。本当に美味しい肉料理です
美しい肉料理
横から
焼きはミディアムレア レアと言っても生ではない。熱はしっかりと入っています。絶妙ですね。
これぞ美味しんぼ 第8話 「肉の旨味」ででた焼きぐあいです!!
これぐらいの焼き加減がのお肉が一番美味しいですね
根菜が肉のうまみを引き出します。
○フロマージュ
最初はウォッシュやブルー系は全く食べれなかったのですが、今では好んで食べるように。これもマティエールさんのおかげです
○ディーセル
フォンダンショコラにピスタチオのアイス ガストロバックした苺
ヴァローナな濃厚なチョコのフォンダンショコラに、ピスタチオがよく合います。甘いだけでなく違うアクセントの苺がピシッとしめてくれます。ほんとディーセルまですごいところが西村シェフのすごいところです
ヴァローナのフォンダンショコラ
本当に濃厚なショコラ。口に入れるとねっとりとした感じがとてもいい!いつ食べても美味しいです
ピスタチオのアイス これも素晴らしい。
今回はコーヒーも。
萌季屋の豆に砂糖は2種類。香りのいい、けど酸味が強すぎるわけでもない、とってもうまいコーヒーです
特に 和三盆で飲むのが好き!とっても上品な甘さがとても良いです
(感想)
今回でラストディナー
しかし、未だに来月もいけるかな??と思っているぐらい実感がわいていないです。。。。
最後の1年は本当に神がかった料理の数々でした。いろんなシェフと交流が広がったこの一年、西村シェフの料理がぐーーーんと幅と奥行きが広がり、レベルアップしたように思います。よきライバル・友を持ち刺激を受ける事って大切ですね
最近、なんでも「安い」事が善である報道、「安い」が前提のコストパフォーマンスという言葉うんざりです。もちろん自分も安いっていいと思いますよ、同じ物買うなら安い方がいい。
でも、なんか今の世の中必要以上に「安い」が氾濫しすぎだと思います。工業製品ならいいでしょう。企業では技術を駆使しして安くつくる事っていうのも大切な仕事ですし。でも、そんな企業でも付加価値をつけて高く売ろうとする努力はする。付加価値をつけようと努力する人たちに対し「必要以上の安い」って言葉で邪魔をしてはいけないと思うんですよね。特に「食」っていう人によって価値観が全く違うものに対しては、本当に注意が必要だと思います。必要以上に安いを求めると、結局「安かろう悪かろう」を生んでしまう。
オープン当初は確かディナーでも4000円ぐらいだったような。。。それが、昨年の12月からは10000円、実に2.5倍。しかし、それをはるかに上回る付加価値向上で2か月以上の満席、なごりマティエールも告知数日で満席。
デフレから抜け出せない日本、さらに小田原という決して簡単ではない土地で、デフレと真逆な方向に舵を切り、勝負し、見事成功した。これが、マティエールさんの本当にすごいところだと思います。
食材の進化だって、ペアリングのワインだって、一斉スタートだって、西村シェフ、マダムがゲストへ美味しいものを食べてもらおうという想いの一部を形にしたものであり、そんな想いがいっぱいお店にあふれているから、ゲストはマティエールに通うんですよね
産地の偽装、虚偽表示 世の中の外食産業は揺れていますが、マティエールさんの様に実直に、誠実にゲストの事を想い、挑戦するレストランが正当に評価され、成功する世の中であってほしいものです。。。。
最後にですが、この関東の西の果て小田原にマティエールさんがあった事、このような素晴らしいレストランに出会えた事、西村シェフ、マダムに出会えた事に感謝をし、マティエールさんのブログを終わりたいと思います。
本当にありがとうございました。